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夫を亡くして
夢の続き
夫が亡くなって半年が経った。
彼がいた部屋には優しい温もりが残る。
いつも座っていた椅子。大切にしていた腕時計。何度も読んでいた本。最後につけた香水。二人の思い出。
いつまでも悲しんでいられない。
私の喜びは彼の喜び。
強く生きることを誓って心を抱きしめた。
服を選ぶ。化粧をする。香水をつける。
優雅な気分でジュエリーボックスを開ける。
中に並ぶ私のコレクション。
幸福をもたらし、悲しみを癒してくれた思い出の形。
ジュエリーの数だけ私のドラマがあった。
また新しいドラマをつくろう。
これからも続く人生を美しくするために。
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